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2021年6月6日 (日) に[ドイツ文法理論研究会](http://www.energeia.jp)においておこなわれた私の講演のハンドアウトです。 > 長屋尚典. 2021. タガログ語における thetic/categorical 判断: 主題の対照研究. ドイツ文法理論研究会, オンライン, 2021年6月6日. なお、本発表は以下の論文の内容を再構成したものです: > Nagaya, Naonori. 2019. The thetic/categorical distinction in Tagalog revisited: A contrastive perspective. Gengo Kenkyu 156. 47–66. [https://doi.org/10.11435/gengo.156.0_47](https://doi.org/10.11435/gengo.156.0_47). **要旨** 本発表では、タガログ語における thetic/categorical判断に関連する現象を取り上げ、主題の対照研究上の問題を考察する。 日本語の「は」で標示された名詞句とタガログ語などフィリピン諸語のangで標示された「トピック」(あるいは主格名詞句) の間に興味深い共通点があることはこれまでに何度も指摘されてきた (Shibatani 1988, 1991, Katagiri 2004, 2006)。 その背景には、感嘆文、気象文、存在文など、日本語で主題の「は」が用いられにくい環境で、「トピック」もまた使われないという観察がある。 さらに近年、Santiago (2013) によって、タガログ語の「トピック」の分布がthetic/categoricalという判断の区別 (Kuroda 1972) で説明できるという説が提案された。 本論文では、タガログ語の「トピック」と日本語の主題名詞句の対照研究を行い、 thetic/categoricalの区別でタガログ語と日本語の平行性を捉える仮説に異議を唱える。 具体的には、先行研究で既に議論されているデータを再分析し、新しいデータを提示することによって、 タガログ語において (i) theticな文において「トピック」が現れないことはタガログ語に特殊な要因によって説明できること、 (ii) theticな文に「トピック」が出現することも可能であること、さらに (iii) categoricalな文のなかには「トピック」が必須ではない文もあることを示す。 このように、タガログ語と日本語の共通点は表面的なものであり偶然の産物である。 日本語で指摘されるthetic/categoricalという判断の違いによって、タガログ語の「トピック」の出現・非出現を予測することはできない。
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